2021/11/04 13:24

Pierre Jeanneret

Chandigarh Collection®︎

チャンディーガルコレクション®︎について

「チャンディーガルの家具」や「ピエール・ジャンヌレの家具」については、多くの混乱と誤解、そして誤った情報があることに気づきました。

そこで、多くの方の理解補助のため、デザインの起源と、作品を説明するためによく使われる用語を簡単に説明します。

-ピエールジャンヌレ チャンディーガルの家具について

1950年代、大戦を経て独立したインドのパンジャブ州政府は、チャンディーガルの都市となる新しい首都を建設することを選択しました。

 ル・コルビュジェと共に、ピエール・ジャンヌレは多くの建築プロジェクトに割り当てられ、政府や公共の建物のために作られる家具の設計する責任者に任命されました。

ピエール・ジャンヌレはこれらの設計をパンジャブ州の複数の木工スタジオに渡し、プロジェクトの仕様に従って、それぞれが市内で使用する家具の生産を開始しました。

制作要件は建築プロジェクトによって異なり、その結果、各設計からさまざまなバージョンが作成されました。

-「オリジナル」とは?

そもそも、オリジナルの「チャンディーガルの家具」または「ピエールジャンヌレの家具」が何であるかについての公式の説明はありません。これは、家具に単一の製造ライセンスが付与されたことがないためです。

多くの人が「オリジナル」の作品をヴィンテージ作品と呼んでいます。これらは1950年代に製造され、その後修理、復元された作品です。

しかし、パンジャブ州の木工スタジオは1980年代までチャンディーガル市向けに作品を製造しており、現在でも国際市場向けに作品を製造しているところもあります。

「オリジナル」という用語は、ヴィンテージディーラーによって、ヴィンテージ個体や特定の「オリジナル年代」の製造を説明するため、または特定のレターマーキングが付いた個体を説明するためにも使用されます。

これらの仕様についてさらに詳しく説明します。

作品が1950年から1980年の間に作られた場合、私たちは作品にヴィンテージの判断し識別します。これは、木工スタジオがチャンディーガル市のために実際に作品を期間であったためです。

 ただし、これらの30年間に作成された作品の大部分は大幅に破損、修復を繰り返しており、通常に使用するには修理、復元する必要があります。

 たとえば、1950年代に作られたStudent Chair は天然の籐を使用して製造されましたが、1960年代以降に製造されたほとんどのモデルは、

耐久性の向上ためにプラスチック製の籐を使用して製造されました。

 籐から、スリット状の木材に変更した物もあり、公共の備品としては、当然の処置が普通に行われています。

 注文仕様によってデザインも大きく異なり、特定の型式の作品はありませんでした。

 つまり、オリジナルも70年に及ぶ使用の過程で、新しい部品を繰り返し付け替えているため、手を加えていない「真のオリジナル」はお目にかかる事は皆無となります。

これらは、オリジナルではないのでしょうか? また偽物でしょうか?

 巷で耳にするオリジナルの真贋についても定義があいまいで、先述の通り、お目にかかることがでいない「真のオリジナル」以外はすべてに修復がなされております。

 販売ディーラーによっては独自の判断で手の加え具合や、修復用の新しい部品の使用率を真贋判定に利用するようになっています。

 当店では修復履歴や頻度とオリジナル性は、修復ありきがオリジナルである理由から

同一である点を強調しています。

 もし、気になる販売店で、オリジナルの真贋云々を耳にしたら、

より一層慎重になり、その根拠について問いただしてください。

 stile vitaでは、オリジナルと定義した1950年代~1980年代までに製造したオリジナルの根拠をもとに、現地より仕入れで販売しております。

 それら根拠は購入いただける全てのお客様に提示しており、もっとも確実なエビデンスであるといえます。

  手書きによるレターマーキング:一部のヴィンテージ作品は、木製フレームに手書きによるレターマーキングが施されています。 これはもともと、作品の行き先にラベルを付けるために木工スタジオによって行われました。

例:公共図書館のローカル6用に作成された椅子には、「PL-CH-Loc6」というレターが付けられます。 多くの作品はまた、時間の経過とともに作品を毎日使用するため、レターマーキングは次第に消えてしまいます。

 ただし「オリジナル」と偽るために、現行製品にマーキングが付けられることがよくあります。

 これは不誠実であり、家具を不正にオリジナル化し、価格を上げるために使用されるため、悲しい事態であると言えます。

-「ライセンス」または「製造認証」?

 チャンディーガルの家具の設計図の多くのデザインとバリエーションに何百人もの木工スタジオと職人が責任を負っているため、チャンディーガル市は特定の生産またはデザインライセンスを付与しないことを公式に決定しました。

 木工スタジオごと、サイズや工法が微妙に異なるのは、そのためです。

よってオリジナルを販売する際に説明するベンダーからの情報以外に、「公式ライセンス」や「製造認証」などはありません。

もし「公式ライセンス」や「製造認証」を謳って作品が販売されている場合、

その起源と正確な意味を疑問視するのが賢明です。

-これらはリプロダクトですか?

先述のとおり、チャンディーガルの作品には製造ライセンスがないため、

「レプリカ」または「リプロダクト」の識別、呼称は本来、無意味となります。

ただし、インドのチャンディーガルプロジェクトに携わったことの無いスタジオまたは、

インド以外の国で作られた製品は「オリジナル」の理解から大きくかけ離れており「リプロダクト」または「模倣品」と位置づけられると考えます。

 安価なバーチ材やパイン材を機械加工のみで製造し、

編み込み不要な樹脂製のラタンをはめ込むだけの、

大量生産模倣品を見かけますが、大半はインド以外の国で機械製造されており、

オリジナルの製造とは、その製造思想、出来栄えが大きくかけ離れるため、

皆様は一目で違いを理解できることでしょう。

-Chandigarh Collection® チャンディーガルコレクション®とは

stile vitaの取り扱い製品は、1950年代初頭から1960年代初頭に製造されたオリジナルと同じ製造技術、製造基準、および材料を使用して、北インドをはじめとするオリジナルの修理を行っている木工スタジオで、ピエールジャンヌレのチャンディーガルプロジェクトの製造を行っていた木工スタジオの正当な系列で作られています。

 彼らの工房、系列工房は、1950年代から存在し、今もオリジナルの修復を忠実におこなっています。

 そのため、他のリプロダクトやオマージュ製品とは異なった、

オリジナル製造のスタジオによる技術継承された製品であるため、

stile vitaでは製品にチャンディーガルコレクション®︎と商標登録を正式に行いました。

 商標登録番号:第6460008号 出願日:2021年7月21日

 コンセプトは、30年にわたるチャンディーガルコレクション®の過去から現在への継承と未来への保存、そしてチャンディーガルでしか存在しない、故ピエールジャンヌレの偉大な作品を世界市民に広く普段の生活で使ってもらうことです。

  同時に、私たちは現代社会の責務である環境、人権、持続可能性、倫理・道徳観についても真剣に向き合って取り組んでいます。

 未来に残すチャンディーガルコレクション®が未来の地球にネガティブなインパクトを与えぬよう、再生木材の使用と汚染物質、人体影響のない塗料・オイルを使用した製品は、カーボンニュートラルです。

 また、お客様の協力を得て、完全な受注生産を行うことで、無駄な在庫と流通を排除し、計画的生産による安定した雇用と労働環境の適用に努めています。

 そのため、特定の団体や自治体への保存活動の寄附なども行いません。 

なぜならば、お買い上げいただいた皆様が長く大切に使っていただけるだけで、

本質的な目的が達成出来るからです。

 

 私たちのチャンディーガルコレクション®︎は、まだ始まったばかりです。

©︎ 2021 office nakamura